所得税法と国税庁の示す扱い
勝ち金にかかる税は、賭けた場所ではなく所得の区分で決まる
所得税法は所得を区分で分けます。賭けの勝ち金は原則として一時所得(所得税法第34条)にあたり、特別控除額は最高50万円、課税されるのは残りの2分の1です。この区分は、事業者が許可を持っているかどうかでは変わりません。
税の話は、許可の話とは別の層にある
このサイトは、事業者が日本の許可を持っていないという前提から始まります。税の話はその前提の上に乗りません。横に並びます。
所得税法は、所得を「誰から受け取ったか」ではなく「どういう性質の所得か」で区分するからです。
支払った相手が許可を持っているかどうかは、区分を決める条件として条文に出てきません。だから、許可制度がないという事実から「税の扱いも決まっていない」という結論は出ません。決まっているのは区分のほうで、それが決まっている以上、計算の形も決まります。
日本に許可を出す役所がないという制度の形そのものは日本の制度のページに、枠のある賭けが6つだけだという話は公営競技のページにあります。このページはその二つとは別の法律を読みます。
一時所得とは、所得税法第34条が置いている区分のこと
第34条は一時所得を、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務や役務の対価でも資産の譲渡の対価でもないもの、と定めています。
賭けの勝ち金は、原則としてこの区分に入ります。
国税庁もタックスアンサーNo.1490で同じ区分を示しており、そこには例として懸賞の賞金や生命保険の一時金と並んで、競馬・競輪の払戻金が挙がっています。区分の名前は事業者の側の事情ではなく、受け取った所得の性質から付きます。
計算の形は条文に書かれています。総収入金額から、その収入を得るために支出した金額を引き、さらに特別控除額を引く。残った額が一時所得の金額です。
50万円は枠ではなく、差し引く額
第34条第3項の特別控除額は最高50万円です。ここを「50万円までは無税」と読むと、二か所で形が崩れます。
一つ目は、これが枠ではなく控除だという点です。
収入から支出を引いた残りが50万円に満たなければ、引ける額もそこまでで、一時所得の金額はゼロになります。年をまたいで持ち越すこともできません。二つ目は、一時所得が一つとは限らないという点です。同じ年に別の一時所得があれば、50万円はその全部を合わせた額から一度だけ引かれます。
そして残った額のうち、総所得金額に算入されるのは2分の1です。所得税法第22条第2項第2号がそう定めています。
この2分の1は、税率をかける前の段階で効きます。
給与のある人の20万円の線と、そこから出る90万円
給与を一か所から受けていて年末調整が済んでいる人については、給与以外の所得金額の合計が20万円以下であれば確定申告を要しないという規定があります。所得税法第121条第1項です。
ここで注意が要るのは、20万円と比べる相手が「受け取った額」ではないことです。
比べる相手は所得金額、つまり一時所得なら特別控除まで引いて2分の1にしたあとの数字です。支出がゼロの場合で計算の形を書くと、こうなります。受け取った額から50万円を引き、その半分が20万円になるのは、受け取った額が90万円のときです。
90万円という数字はどの条文にも書かれていません。第34条の控除と第22条の2分の1と第121条の線を順に当てはめると出てくる、計算の結果です。数字そのものではなく、三つの条文がこの順に重なっているという形のほうを覚えておくと使えます。
支出が引ける場合や、他の一時所得がある場合、給与が二か所以上ある場合は、この形が変わります。
| 事業者 | ライセンス | 本人確認 | 対応通貨 | 対象外の国 | 開く |
|---|---|---|---|---|---|
| Vave | Curaçao Gaming Authority | 金額の記載なし | 6 | リスト未読 | 開く |
| Rocketpot | Curacao | US$2,500 | 13 | 34 | |
| DuckDice | Anjouan Gaming Board | 金額の記載なし | 10 | 16 | |
| Empire.io | Anjouan Gaming Board | 2,000 USDT | 未読 | 12 | |
| Metaspins | Curaçao Gaming Authority | 金額の記載なし | 8 | 58 | |
| Rainbet | Anjouan Gaming Board | 金額の記載なし | 9 | 11 | |
| Shuffle | Curaçao Gaming Authority | 金額の記載なし | 6 | 15 | |
| Wild.io | Curaçao Gaming Authority | 金額の記載なし | 12 | 45 | |
| Wolf.bet | Anjouan | 金額の記載なし | 13 | 48 | |
| Bitsler | Curaçao Gaming Authority | 金額の記載なし | 未読 | 1 |
Vave は当サイトの提携先で、この行のリンクは有料掲載です。読者が口座を開くと当サイトに報酬が入ります。並び順は報酬では決まりません。Vave はこのページの集計にも順位づけにも入れていません。同社の対象外の国リストは読めていないため、その欄は「リスト未読」のままです。
賭けた分をすべて引けるわけではない
一時所得の計算で引けるのは、その収入を生じた行為をするために直接要した金額です。この「直接」が効きます。
国税庁が示す扱いでは、当たらなかった賭けの支出は原則として差し引けません。
年間の入金額と出金額を差し引きして残りを申告する、という形とは違います。年間の収支という考え方は帳簿の考え方であって、第34条の計算の形ではありません。ここを取り違えると、申告額が実際より小さく出ます。
このサイトはどの事業者にも口座を持っていないので、入出金の履歴がどう記録されるかを実際に確かめてはいません。書けるのは、条文が何を引けると書いているかまでです。
区分は動くことがある
一時所得が原則だと書いたのは、原則でない場合があるからです。
馬券の払戻金をめぐる事案で、継続的かつ網羅的な購入の態様が争われ、雑所得にあたると判断された例があります。最高裁判所平成27年3月10日の判決です。そこでは、外れ馬券の購入代金を必要経費として扱う余地も認められました。
つまり区分は、賭けの種類ではなく行為の態様から決まります。
この判決は競馬について出たものであり、別の賭けにそのまま当てはまるかどうかをこのサイトが判定することはできません。書けるのは、一時所得という区分が動かない前提ではない、という事実だけです。
勝ち金が暗号資産で届くと、税の出来事が二つになる
このサイトが読んでいる事業者は、入出金を暗号資産で行います。ここで話が一段増えます。
受け取った時点が一つ目の出来事で、その暗号資産を後で手放した時点が二つ目です。
国税庁は暗号資産の取扱いについて、その売却や交換によって生じた利益を原則として雑所得としています。タックスアンサーNo.1524です。したがって、勝ち金を一時所得として扱ったあと、同じ資産を日本円や別の暗号資産に換えたときの値動き分は、別の区分の話になります。
一つの取引に見えるものが、税の側では二つに分かれる。これがこの分野に特有の形です。
事業者側の記録がどこまで残るかは事業者ごとに違い、このサイトの記録には受け取りの証跡についての欄がありません。読めたのは規約であって、明細ではないからです。欄の作り方は書き方のページに書いています。
このページが答えないこと
いくら納めるべきかは書きません。税額は所得の全体と控除の状況で決まり、このサイトはそのどちらも知りません。
申告が要るかどうかの結論も出しません。第121条の線は給与の受け方によって前提が変わります。
書いたのは条文の番号と、国税庁が示している考え方と、そこから出る計算の順序だけです。実際の判断は税務署または税理士に確認してください。賭けの問題で困っている場合は、ギャンブラーズ・アノニマス日本が費用のかからない匿名のミーティングを開いています。
- 勝ち金はどの所得に入りますか。
- 原則として一時所得です。所得税法第34条が定める区分で、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の、労務や役務の対価でも資産の譲渡の対価でもない一時の所得がここに入ります。国税庁のタックスアンサーNo.1490が同じ区分を説明しています。
- 50万円までは税金がかからないという意味ですか。
- 非課税枠ではなく、特別控除額です。所得税法第34条第3項が最高50万円と定めており、収入から支出を引いた残りがこの額に満たなければ、一時所得の金額はゼロになります。枠ではなく差し引く額なので、他に一時所得があれば同じ50万円をそこと分け合います。
- 課税されるのは全額ですか。
- 一時所得は、その金額の2分の1が総所得金額に算入されます(所得税法第22条第2項第2号)。したがって収入から支出と特別控除を引いた額の半分が、給与などと合算されて税率の対象になります。
- 負けた分は引けますか。
- 一時所得の必要経費にあたるのは、その収入を生じた行為をするために直接要した金額です。国税庁が示すこの考え方では、当たらなかった賭けの支出は原則として差し引けません。年間の収支を差し引きした残りが対象になる、という理解とは違う形です。
- 事業者が日本の許可を持っていないと、税の扱いは変わりますか。
- 所得税法は所得の性質で区分を決めており、支払った相手が許可を持つかどうかを区分の条件にしていません。したがって税の区分の話と、許可制度の話は別の層にあります。日本の許可制度については別のページで扱っています。
- このページで自分の申告額を決められますか。
- 決められません。ここにあるのは条文の番号と、そこから出る計算の形だけです。個別の金額や申告の要否は、税務署または税理士に確認してください。
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Shuffle
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